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ジダン―勝利への意思表示

ジネディーヌ ジダン



定価： ￥ 1,680

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発売日： 2000-10

発売元： ザマサダ

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サッカーのワールドカップ98で、フランスに開催国優勝をもたらした英雄ジネディーヌ・ジダンの自伝。薄毛の頭から放たれた2本のヘディングシュートがブラジルのゴールへ吸い込まれていくシーンは、今でも鮮明に残っている。本書は、ジダンの少年時代のエピソードを交えながら、彼のリーダーシップ像に迫る。「魔法使い」とも評されるジダンの変幻自在のボールコントロールは、移民街のストリートサッカーで磨かれた。ストリート出身の選手の多くは、チームワークを理解できず、選手として大成しないといわれている。運良くプロになれたとしても、今度は監督やほかの選手と衝突し、けっきょくは自分の力を発揮できない（フィラデルフィア・76ersのアイバーソンなどはその典型）。だが、ジダンは違った。「父さんは真実を手にしている」「僕が彼から学んだのは、神の道」と尊敬する父の存在が、ジダンのリーダーとしての資質をはぐくんでいった。彼は天性ファンタジスタ（独創性に富んだプレーで観客を魅了する選手）でありながらも、現代のサッカーが規則を重視していることを重んじて、自分のプレースタイルを変えていった。また、スター選手として常にマスコミからの厳しい批判にさらされながらも、言葉ではなく己のプレーによって反論する姿勢を貫いた。本書を読むと、世界を制するチームの司令塔たる選手は、心・技共にここまで高いレベルを要求されるのかと愕然とする。（磐田鉄五郎）

さよなら、ジダン。ありがとう。
今、思い出しても忘れられない。あのゴール、このゴール。どのゴールも頭に焼き付いて離れない。ジネディーヌ・ジダン。一人の偉大な選手のそれを。２００６年のＷ杯決勝からもう随分時間が経った気がする。この本は１９９８年、フランスがＷ杯で初優勝した時の話だ。あの前まではジダンは優れた選手の一人という印象しかなかった。ユヴェントスでも活躍していたが、世界的に知られるようになったのはやはりあの決勝での２ゴールの後だ。ジダンの原風景、貧しい中でのストリートサッカーやその生活、それはこれからも変わらないと思う。現代サッカーにおいて郊外は重要な意味を持つ。そうした土地でハングリー精神に飢えた子どもたち。現代の多くのサッカー選手はそうした所から生まれ出る。ジダン、ロナウジーニョ、ロベルト・カルロス、アンリ、アドリアーノ、数えれば切りがない。そこで揉まれた者が一人また一人とピッチに立つ。その強さはきっと味わった者にしかわかりえない。ああした場所があったからこそ彼らはサッカー選手として生まれ出た。ストリートの申し子たち。それはただ環境を整備したところでいい選手が生まれるというものではない。それは培う文化の担い手も同じ。その緊張から生まれ出たものが熟成したものになる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これを見れば「ワールドカップ優勝」という言葉は軽々しく口にはできないはずだ。本当に強い者だけが勝ち上がれる。そういうものだ。２００６年のＷ杯はジダンのヘッドで終わってしまった。そう、あそこで終わってしまったのだ。だが、ジダンが最後の輝きを見せてくれたことを私は忘れない。レアル全盛期（０１?０２、０２?０３シーズン）には及ばないが、ジダンここにありということを思い出させてくれた。もうジダンはピッチにはいない。ジズーのプレーは見られない。けど、彼を見た者は忘れないだろう。ジダンという一人の人間を。さよなら、ジダン。ありがとう。

９８年W杯をもう一度見たくなる
サッカー史上屈指のプレーヤーと言っても良いこの人のことを、もう少し知りたいと思ったら読んでみてください。 とんでもないＦＫを沈め、鮮やかなアシストを決めても、それほど派手にパフォーマンスしない理由は、この本を読んで「人間・ジダン」に触れればわかります。



波瀾だったＷ杯の期間中、彼が何を想い、何を考えていたのかにも触れていますので、これを読んだら、必ずもう１度フランス大会を見たくなること請け合いです。

優しきスーパースター
フランス・サッカーを世界一に引き揚げた男、ジダンは、暴れん坊のマラドーナよりも、ペレに近い優しきスーパースターという感じです。家族を大事にし、チームの和に心を配るこのエースの心は、いま日本人が忘れていることを示してくれているように思います。