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サッカーが世界を解明する

サッカーが世界を解明する

フランクリン フォア

サッカーが世界を解明する

定価: ¥ 2,415

販売価格: ¥ 2,415

人気ランキング: 162936位

おすすめ度:

発売日: 2006-05

発売元: 白水社

発送可能時期: 通常24時間以内に発送



サッカーの世界を明解に解明した好著
濃密な本を読みました。単なるサッカー論ではない、興味本位の安易な国際情勢ではない凄い本です。世界中でサッカーは何故圧倒的な人気を誇るのか。サッカーの普遍性はそのシンプルさにある。汗を光らせ、髪を振り乱して走って走って走りまくる姿に世界中の人々が熱狂し歓声をあげる。多くの民族、異なる宗教や文化、政治的経済的条件、背負ってきた歴史等々も大きく違う。そんな国々にサッカーグローバリゼーションが席巻する。そのグローバリゼーションでもってしてもなおサッカーはそれぞれの国々、地域固有の確執、腐敗といった伝統の受け皿としての役割を背負って人々を興奮熱狂させる。複雑、混沌とした現在の世界をこの「サッカーが世界を解明する」が明解に解明している。

内容は5つ星、でも、日本語の翻訳は2つ星。
 ワールドカップの年ということで、タイムリーな発売だったとは思うし、内容も、他のレビュー方々のコメントの通り、非常に興味深い読み物でした。しかし、それは原作に負うものです。

 日本語版は、残念ながら、十分な推敲も校正もされていないと考えざるを得ないほど、粗雑な部分が気になりました。勢いだけで読むような内容ではないので、日本語をもう少し練り上げてほしいと思いました。まあ、ワールドカップが迫っていて、翻訳文を練り直すより、販売戦略が優先されたのでしょうが・・。

 今後、改訂版や文庫本化を考えているなら、ぜひとも翻訳をもう一度きちんと点検し直してください。でも、翻訳に意味不明な箇所がたくさんあったおかげで、原作を読もうという気にもなったし、英語ではどう書いてあるのかをチェックして、本当のところがよくわかったという、思いがけないけがの功名もありましたが...。

日本は代表もクラブも取材されていない。それは名誉なのか、不名誉なのか…
欧州におけるサッカーは単なるスポーツの域を超え、その国の政治、宗教あるいは民族と密接に関わっているということは、サッカーに興味がある人であれば知識として知っているのだと思う。では、具体的にはどういうことなのか、という問いに答えることが出来る人はどのくらいいるのだろうか。本書にはその答えが書かれている。



一例をあげてみる。

中村俊輔が現在所属しているセルティックとレンジャースは、何故ライバルと言われているのか。その答えは「宗教」である。プロテスタントのチームであるレンジャースに対し、セルティックはプロテスタントに弾圧されたカトリック教徒が自分達の存在意義を証明するために設立されたチームだからである。両チームの試合は両宗教の代理戦争なのである。結婚式は教会で、葬式は仏教でというように、宗教に対して寛容な(悪くいえば節操がない)日本人にはなかなか理解できない世界であろう。



著者は、世界各国での取材の結果『グローバリゼーションの力をもってしてもサッカーの持つ地域固有文化、確執、腐敗といったものを消し去ることができていない…今ではむしろ、グローバリゼーションがこうしたローカルな力を増幅しているのではないかとさえ思う』という思いに至るのだが、私もその通りだと感じた。



よく、日本のサッカー評論家が、日本のサッカー選手はファンから受けるプレッシャーが欧州に比べて少ないから、選手が成長しない、といった趣旨のことを書いているのを目にする。彼らは本書に書かれているような事実を知った上で、そう書いているのだろうか。日本もそうなればいいと思っているのだろうか。



予備知識なしでも充分興味深く読めるが、その国の歴史(第一章のベオグラードであればユーゴ崩壊の歴史)を調べてから読むと、一層理解が深まると思う。


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