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神の苦悩-ジーコといた15年

神の苦悩-ジーコといた15年

鈴木 國弘

神の苦悩-ジーコといた15年

定価: ¥ 1,575

販売価格: ¥ 1,575

人気ランキング: 52594位

おすすめ度:

発売日: 2007-05-11

発売元: 講談社

発送可能時期: 通常3?5週間以内に発送



日本代表を応援するからこそ、ジーコジャパンの教訓を忘れない
 この本はいろいろな読み方ができる。



 まず、監督ジーコの視点である。「アントラーズをプロとしてすばらしいチームに育てたい」「日本代表のすばらしさを世界に知らせたい」という使命感に燃え、鹿島時代には様々なことを言い、時には変えた。代表監督時代はあまり言わなくなったが、共に心がけていたのは「ファミリー」づくりであったと言う。

 私は以前から、「ジーコはブラジル人らしくない」と思っていたが、この本を読んで改めてその意を強くした。時間に律儀、ファンへの気遣い、仕事に対する準備の入念さ、などは、その一例である。



 通訳という仕事の難しさも感じ取れる。

 「ジーコと選手のパイプ役」と書けば聞こえはいい。しかし実際は板挟み状態で、最初にジーコの言い分を聞くのも、日本人側の反論を聞くのも、通訳。金の交渉でフロントの側に立って通訳したすぐ後に、練習場に行ってジーコのそばで選手に指示する、という立ち位置を変える場面もある。

 それから世界的なスターであるジーコのコメントが鈴木さんを介して日本語にされ、全世界に発信され、注目される。 その責任の重さたるやハンパではない。

 言葉自体の難しさもある。ハーフタイムの選手への指示で「ヘビがタバコを吸う」なんて言われたら、誰だってポカーンとしますよね。





 そしてこの2人を通じて、契約社会に生きるプロフェッショナルの姿がある。 ジーコは日本に来た時から超一流だった姿が、鈴木さんは“ジーコイズム”が徐々に浸透し、通訳のプロフェッショナルとなっていく姿が描かれている。プロ化間もない鹿島の選手や取材経験の浅い記者に向けて、ジーコが少ししか喋っていない時でも、その意図を理解して言葉を足すこともあった、ということもその一端である。

 それから、2004年W杯アジア一次予選のアウェーのオマーン戦での鈴木通訳の退席処分も、鈴木さんなりに考えた行動であったことに凄く嬉しくなった。あの当時は「前代未聞の出来事」として片付けられたが、「ジーコの影武者」と呼ぶにふさわしいエピソードだと思う。





 ジーコジャパンはW杯では結果は残せなかったが、貴重な教訓は残した。日本代表を応援する者の視点で、ジーコジャパンの貴重な“内部資料”である本書から得るものは少なからずある。

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