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アヤックスの戦争―第二次世界大戦と欧州サッカー

アヤックスの戦争―第二次世界大戦と欧州サッカー

サイモン クーパー

アヤックスの戦争―第二次世界大戦と欧州サッカー

定価: ¥ 2,415

販売価格: ¥ 2,415

人気ランキング: 328632位

おすすめ度:

発売日: 2005-02

発売元: 白水社

発送可能時期: 通常24時間以内に発送



大戦下のフットボール
ユダヤ人とナチスドイツとの関係は明瞭だが、周辺諸国ではどうであったかをオランダ、アムステルダムに本拠があるアヤックスを柱にして描いている。
実際にユダヤ人を保護したのはデンマークであり、ブルガリアであったりするのだが、アンネ・フランクの話、ヨハンクライフへの憧れからオランダでもユダヤの人々を保護してきたとイスラエルの人々は思っている。しかしアンネ一家をかくまったのは確かにオランダ人だが、密告したのもやはりオランダ人であり、クライフはユダヤ人ではない。
他にも敗戦間際までフットボールの試合を行っていたドイツや爆撃下のロンドンでも試合をしていた英国の話もあって、サッカー好きには楽しめる作品だと思う。

アンチクライマックスなんだろうが…
 "アムステルダム在住のユダヤ人からの援助を中心に運営されてきたという背景があったために、ナチス占領時代にはスタジアムがひどく破壊された"というようなナスチに対する抵抗のシンボルとしての"ユダヤ人のアヤックス"みたいな伝説は確かにたいした根拠がないということで壊してはくれたけど、300ページを超えて延々と書いているわりには、盛り上がりもなく、発掘された事実というのも、せいぜいが、後に会長となりクライフからこきおさろれるファン・プラーハが占領中は写真屋の二階に隠れて生き延びたとか、アヤックスは戦後に対独協力者狩りをちょっとやりすぎたとか、アムスに戦後戻ってきたユダヤ人たちが自分たちのアイデンティティを確認するというような意味をこめてアヤックスに資金を提供したぐらいの地味なものでしかない。
 ある程度の時間はかけてクラブの歴史を調べ、まだ生存している関係者にインタビューはしたのだろうが、結局、クライマックスとなるようなネタはつかめなかったように思う。そして、ユダヤ人のアヤックスという伝説は間違いだが、ある部分は事実を反映しているみたいな盛り上がりのない結論(まるでオランダそのものを反映している)に達する途中で、同じユダヤ人としてアンネ・フランクをはじめとして住民の3/4が殺されたとしてオランダに逆切れするような、奇妙な印象しか残さない本になってしまったのではないかと思う。
 この本のチラシを読んだ時「名前からしてユダヤ人のサイモン・クーパーがナチスに破壊されたアヤックスの悲劇の歴史を書くんだろうから、随分、読み応えがあるに違いない」と期待値を高めすぎたのもいけなかったのかもしれないが、神話の真相を教えてくれたということだけは評価するものの、やや凡庸。

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